おそいひと

以前映画の公開イベントに誘ってくれた友達と3人で、カフェでご飯してから映画を観てきた。重度の身体障害者が、ある日を境に、次第に狂気に身を委ねていく…というストーリー。観終わったあと、誰も映画について言葉を発することがなかった。じっくり自分の中で反芻したい、という感じ。主演の方は実際に重度の障害を抱えている方で、本人役で出演している。賛否両論が飛び交ったこの作品、私は観てよかったと思った。

「障害者というだけで、過激な表現が暗黙の了解のもとに制約されてきた日本映画界において、障害者が常軌を逸した狂人として登場するこの映画は、優れた文化作品だと誇りを持って言えます。困難なことかも知れませんが、障害者が自分たちの文化を取り戻す作業が必要だと思います。そして、障害者も障害者の世界に閉じこもらず、もっと、いろいろな人たちと協力し合い、文化創造を力強くしていかねばならないと思っています。」 住田雅清