忘れられないヒト

学校への行き道でばったり男友達2人に会った。そのうち1人は、1回生のときから2年くらいずーっと片想いしていた人だった。姿が目に入った途端、心臓が飛び出そうにバクバクして、こんなに年月がたってもなおドキドキしている自分に驚いた。あまりにもドキドキして「おー久しぶり!」としか言えなかった。私はきっと今も、カレを忘れられずにいるのだと自覚させられずにはいられなかった。こんなにも人を好きになれるのだと、カレに出逢って知った。たった一言「おはよう」と交わすだけであれほど鼓動が高鳴るのだと、カレに出逢って知った。カレが存在するという事実だけで嬉しかった。カレと出逢ったために、大学生活の毎日の見え方が驚くほどに変わった。
今の彼に出逢って、あーやっとカレを忘れられると思った。でも今になって、ちゃんと自分の想いを伝えとけばよかったと後悔してしまう。もっと体当たりでぶつかっていけばよかった。結局自分がかわいくて、傷つくのが恐かったんだ。
きっとカレ以上に人を好きになることは、この先もないだろう。ずっとずっと、心の片隅で、カレへの想いは消えることなく存在し続けるのだろう。